ノコギリヤシの有効成分とその効果

ノコギリヤシにはさまざまな成分が含まれています。ノコギリヤシの代表的な成分には、血液中の脂質を減少させるβ-シトステロール、持久力を高める効果やストレス軽減効果があるオクタコサノール、各種脂肪酸などがあります。
ノコギリヤシの有効成分と、それらがもたらす健康効果をご紹介します。

β-シトステロール

β-シトステロールは、植物の細胞を構成する植物ステロールの一種で、コレステロールに似た分子構造をもつ物質です。β-シトステロールにはさまざまな効果があり、ノコギリヤシの健康効果の中心となる成分です。

・血液中のコレステロールを減少させる
コレステロールの吸収には、胆汁酸の働きが必要です。β-シトステロールはコレステロールと構造が似ており、腸内で胆汁酸と結合してコレステロールの体内への吸収を阻害します。
β-シトステロールには血液中のコレステロールを低下させる高い効果があり、ヨーロッパでは医薬品としても使用されています。

・テストステロンの減少を抑制する
β-シトステロールには、テストステロンを別の物質に変換する酵素の働きを阻害して、テストステロンの減少を抑制する効果があります。
ノコギリヤシは、精力増強効果や育毛効果のある健康食品として知られています。そうしたノコギリヤシの効果は、主にβ-シトステロールの作用によってもたらされています。

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・さまざまな健康効果をもたらす
以上の効果のほかにも、β-シトステロールには多くの健康効果があります。
ご紹介した以外のβ-シトステロールの主な効果には、以下のようなものがあります。

・抗炎症作用
・動脈硬化の予防
・生活習慣病の予防
・免疫力の向上
・アレルギー症状の抑制

オクタコサノール

オクタコサノールは、果物の皮やサトウキビなどにも含まれているアルコールの一種です。
オクタコサノールには、栄養素を効率的にエネルギーに変換する作用や、酸素の効率的な利用を促す作用があります。また、ストレスを軽減して睡眠の質を高める作用があることも研究で確認されています。
オクタコサノールの主な効果には、以下のようなものがあります。

・持久力の向上
・代謝エネルギーの向上
・ストレス軽減
・睡眠の改善
・運動機能の向上
・生活習慣病の予防

各種脂肪酸

ノコギリヤシにはオレイン酸・ラウリン酸・ミリスチン酸・リノール酸・パルミチン酸などの脂肪酸が含まれており、ノコギリヤシの85%以上は脂肪酸で構成されています。
脂肪と聞くと悪いイメージがあるかもしれませんが、脂肪酸は身体の機能に欠かせない重要な栄養素です。ノコギリヤシに含まれる脂肪酸には、健康に役立つさまざまな効果があります。

オレイン酸

オレイン酸は、オリーブオイルや紅花油などに多く含まれている不飽和脂肪酸です。
オレイン酸には、善玉コレステロールを減らすことなく悪玉コレステロールを減少させる作用があり、血液をサラサラにします。
オレイン酸を多く摂取している地域の人は、動脈硬化などの生活習慣病の発症率が低いことが報告されています。

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ラウリン酸

ラウリン酸は、ココナッツオイルなどに多く含まれている脂肪酸です。
ラウリン酸は分子量が小さく、速やかに消化・吸収されてエネルギーとして利用されます。そのため、脂肪として蓄積されにくく、動脈硬化などの生活習慣病の原因になりにくいという特徴があります。
また、ラウリン酸は母乳にも含まれており、赤ちゃんの免疫力を高める作用があるといわれています。